- 「字は人を表す」ってことわざあったかな?
- 「字は人を表す」という意味のことわざにはどんなものがあるんだろう?
こんな疑問を持ったことがありませんか?
実は、「字は人を表す」という表現のことわざは存在しません。ことわざ辞典や国語辞典を調べてみましたが、ありませんでした。
では、同じ意味をもつことわざはあるのでしょうか?
この記事では「字は書いた人の人格・性格を映し出す」という意味のことわざやその使い方、由来などを解説します。
さらに、字を見ただけでわかってしまう7つの性格パターンもご紹介します!
もくじ
「字は人を表す」という意味の3つのことわざ(?)
この記事の最初にお伝えした通り、「字は人を表す」という表現そのままのことわざはありません。
では、字は書いた人の人格を表すという意味のことわざはあるのでしょうか?
結論から言うと、辞典には正式なことわざは掲載されていませんでした。
その代わり、よく使われる表現(慣用句)を見つけたので、ここでは3つご紹介します。
「字は体を表す」
「名は体を表す」ということわざの変形です。「名」を「字」に置き換えたたけですね。
そもそもの意味を調べると・・・
名は体を表す
読み方:なはたいをあらわす
意味:名はそのものの実体を表している。名と実は相応ずる。
出典: デジタル大辞泉(小学館)
この意味から推察すると、字はそれを書いた人の実体、つまり性格・人格を表していると解釈できますね。
「書は心画なり」
「書は心画なり」は、四字熟語で「書心画也」と書きます。
書心画也
読み方:しょはしんがなり
意味:文字は、書いたその人の心をそのまま反映しているということ。
紀元前1世紀に漢の揚雄(ようゆう)が「言は心の声なり,書は心の画なり。」と『揚子法言』に著述したのがはじまり。ただし、ここでいう <書> は文字のことではなく、文書のことを意味していました。
その後、あやまって書写とか書法の意味に使われるようになったそうです。
特に書道界で「書は心画なり」という表現が用いられ、書は人格を表すことを意味します。
同様に、唐の柳公権の「心正しければ筆正し」もよく使われます。
参考文献: 世界大百科事典(株式会社平凡社)


「書は人なり」
これも辞書にはない表現です。
おそらく「文は人なり」というフランスの博物学者ビュフォンの言葉と「書は心画なり」を掛け合わせたのではないでしょうか。
「文は人なり」の意味を調べてみると:
文は人なり
読み方:ぶんはひとなり
意味:文章を見れば書き手の人となりがわかる。
出典: デジタル大辞泉(小学館)
文章は、読んでいると書き手の人柄が伝わってきます。

だけど「書は人なり」と言われると、

なんて、悩んでしまいますよね。
「字は体を表す」etc.の使い方
先に紹介した3つの表現の使い方は、主に文章の書き出しで使うとカッコよく決まります。
(例1)「字は体を表す」という言葉がありますが、~。
(例2)~書は人なり~ 日々の生活の中で「書く」という行為は・・・。
(例3)「書は心画なり」 目まぐるしく忙しいこの世の中において、ふと立ち止って自分の心を見つめ直す時間を持つ。ここでは、その大切さを~。
といった感じです。
あくまでもことわざではないので、「~という言葉、言い回し、表現」を使うと無難です。
「字は体を表す」って本当?
「字は書いた人の性格・人格を表す」というのは本当なのでしょうか?
たとえ字が汚いからといって、性格が悪いとは言い切れません。
筆跡診断の専門家によると、筆跡で主に5つのことが診断できるそうです。
- 性格
- 考え方のクセ
- 行動傾向
- 深層心理
- 書いたときの心身の状態
性格だけじゃなくて、文字を書いたときの精神状態を表していることはありそうですね。
「汚い」というのはあくまでも主観的な意見です。人が書いた文字で、その人の良し悪しを決めつけることは絶対にしてはいけません。


筆跡診断は、書かれている文字のパターンから、書き手の情報を分析すること。
手相・顔相、占いの世界と似ていて、ネガティブにもポジティブにも活用できるから気を付けるべきですね。
筆跡診断と筆跡鑑定を間違えることがあります。
筆跡鑑定は、複数の筆跡が同一人物のものかを調べることを意味します。警察が犯人を特定するために用いることが多いです。
字からわかる7つの性格パターンとは?
一般的によく言われている字の特徴別に性格パターンをまとめてみました。
これらに当てはまるからと言って、描写されている通りの性格だとは言い切れません。

丸字
繊細で、少し臆病。人の気持ちがよくわかる。
角字
神経質。細かい所まで配慮できる。その分、悩みを抱えやすい。
右上がり
素直で、向上心が高い。保守的な面もある。
右下がり
洞察力があり、ユニークな考え方を持つ。協調性に欠ける面も。
字間が詰まっている
自分の世界を守りたい。時間の経過に敏感。
字間が離れている
心が広く、包容力がある。おっとりしている。
大きさも傾きもバラバラ
何でも器用にこなすジェネラリスト。優柔不断で秘密主義。

逆転の発想:字を変えれば自分が変わる?
筆跡診断は、字から書いた人の内面を認識することです。
では逆に、字を変えれば内面も変わるかもしれない!?
そういった考えから、「自分が目指す性格・性質の人の筆跡に似た文字が書けるようにトレーニングしよう!」
そう呼びかけている人たちもいますね。
字を変えることが「自分自身」と「他者」に与える影響について考えると:
自分自身に与える影響
「自分が書いた文字を一番よく目にするのは、誰か?」
といえば、自分ですね。
例えば、小さくて自信のなさそうな字をずっと書いていた消極的な人がいたとします。
何かのきっかけで、その人が大きくて伸び伸びとした字を書くように心がけた結果、度胸がついて積極的で大胆になった。
という成功ストーリーはカンタンに想像できそうですね。
他者に与える影響
きれいな字を書こうと心がける人は、自分だけではなく、他人が読んでも心地よい字を書こうとしています。
- ぱっと見たときの印象
- 読みやすさ
- 読んでいるときの心の動き
きれいな字を書く人は、読み手のことまで考えていると推測できるから、良い印象を持たれます。
さらに、他人から良い印象を持たれることが、自分自身のイメージ(セルフ・イメージ)を高めることにつながります。
つまり、自分自身と他人との文字によるコミュニケーションが、わたしたちの内面を変え、人生まで変わてしまうわけですね。
まとめ
今回のポイント
「字は人を表す」という意味の3つの表現:
- 字は体を表す
- 書は心画なり
- 書は人なり
筆跡診断の代表的な7つの性格パターン
- 丸字:繊細
- 角字:神経質
- 右上がり:素直
- 右下がり:ユニーク
- 字間が詰まっている:自分の世界を守る
- 字間が離れている:心が広い
- 大きさ・傾きがバラバラ:ジェネラリスト
字を変えて自分が変わる!?
(字は、自分自身&他者とのコミュニケーション)
- 自分の字を一番ひんぱんに見るのは自分
- きれいな字は他人に良い影響を与える
「字が人を表すかどうか」と考えるよりも、自分の字が他人に与える印象や自分の内面を変えるチカラを持つことに気づくことの方が重要かもしれません。
自分が書く字を変えるだけで、なりたい自分になれるなら、やってみる価値ありですね。